
森の例大祭で、紅白餅を用意する担当に任命されたよ。みんなに配るんだって。がんばるぞ~!



数人分の白玉を作るならともかく、森のみんなに配る量の餅をつくとなると、ひとりでは大変だろう。手伝おう。



ひとりでできるもん!
公認会計士法上の大会社等の財務書類に対する監査証明業務については、原則として単独監査が禁止されています。
この記事では、公認会計士 のそのそ が、単独監査の原則禁止の内容と、その理由をわかりやすく説明します。
- 公認会計士法上の大会社等の財務書類に対する監査証明業務における、単独監査の原則禁止
- 大会社等の財務書類に対する監査証明業務で、単独監査が禁止されている理由
単独監査とは
公認会計士法では、公認会計士が、公認会計士法上の大会社等の財務書類について監査証明業務を行う場合に、原則として単独監査を禁止しています。
ここでいう単独監査とは、ひとりの公認会計士が、他の公認会計士や監査法人と共同することなく、また、他の公認会計士を補助者として使用することもなく、監査証明業務を行うことをいいます。
公認会計士法上の大会社等の範囲は次のとおりです。
① 会計監査人設置会社
※最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が100億円未満であり、かつ、最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が1,000億円未満の株式会社は除く
② 金融商品取引法による監査の対象となる者
※非上場の金融商品取引法監査対象会社であって、最終事業年度に係る資本金5億円未満又は売上高(最終事業年度又は直近3年間における年間平均のいずれか大きい方)10億円未満、かつ、負債総額200億円未満の会社は除く
③ 銀行、長期信用銀行及び保険会社
④ これらに準ずる者として政令で定める者(全国を地区とする信用金庫連合会、会計監査人監査の対象となる独立行政法人など)



会社法上の「大会社」とは別の概念であることに注意してね!
監査というと、監査法人がチームで行うイメージが強いですが、公認会計士は個人として監査証明業務を行うこともできます。そのため、制度上は、個人の公認会計士が監査を行う場面も想定されています。
ただし、公認会計士法上の大会社等の財務書類について監査証明業務を行う場合には、ひとりの公認会計士だけで監査を行うことは、原則として認められません。
単独監査が禁止される理由



大会社等の財務書類について単独で監査するのはどうしてだめなの?
ひとりでできるもん!
大会社等の監査では、対象となる会社等の規模が大きく、取引の内容も複雑・高度になるのが通常です。たとえば、多数の取引先との取引、複数の事業拠点での活動、複雑な会計処理、金融商品や企業結合など専門的な論点が含まれることもあります。このような監査を、ひとりの公認会計士だけで行うことには限界があります。
そのため、複数の公認会計士が関与し、それぞれの知識や経験を活かしながら、組織的に監査を行うことが求められます。



監査は、限られた時間の中で行う必要があるんだ。
大量の紅白餅をひとりで作るのには限界があるように、大規模な会社の財務書類の監査を、ひとりの公認会計士だけで行うことにも限界があるんだよ。だから、大会社等の監査では、複数の公認会計士が関与して、組織的に監査を行うことが求められているんだ。





ひとりじゃ無理か…。
単独監査の原則禁止は、大会社等の監査について、複数の公認会計士が関与する組織的な監査を確保するための制度といえます。
共同監査または補助者の使用が必要
公認会計士が、公認会計士法上の大会社等の財務書類について監査証明業務を行う場合には、単独で監査を行うことはできません。この場合、公認会計士は、次のいずれかの方法により監査証明業務を行う必要があります。
① 他の公認会計士または監査法人と共同して行う方法
② 他の公認会計士を補助者として使用して行う方法
①は、いわゆる共同監査です。複数の公認会計士や監査法人が共同して監査に関与する形です。



②の方法は、単に事務作業をちょっと手伝ってもらえばよいということではなく、他の公認会計士が監査に関与する必要があるよ。
つまり、大会社等の監査では、ひとりの公認会計士だけで監査を完結させるのではなく、他の公認会計士または監査法人が関与する形で、複数の公認会計士が関与する組織的な監査を行うことが求められています。
なお、やむを得ない事情がある場合には、例外的に単独監査が認められることがあります。
ただし、これは、当初から単独監査を予定してよいという意味ではありません。たとえば、共同して監査を行っていた他の公認会計士が登録抹消や病気などにより業務を行うことができなくなった場合など、監査の途中でやむを得ず単独監査の状態になることを想定した例外です。
公認会計士法上の大会社等の監査に関する3つの特例規定



単独監査の原則禁止は、組織的な監査を確保することを意図するものだけれど、広い意味では、監査人の独立性を支えるしくみの一つともいえるよ。



ひとりだけで監査を行うよりも、複数の公認会計士が関与する方が、客観的な検討や相互チェックが働きやすくなるから、監査人の独立性の強化にもつながるわけだね。
公認会計士法上の大会社等に関しては、監査人の独立性や監査品質を確保するための仕組みとして、次の特例規定が定められています。
・監査証明業務と一定の非監査証明業務の同時提供の禁止
・継続的監査の制限
・単独監査の原則禁止(このページ)



「監査証明業務と一定の非監査証明業務の同時提供の禁止」は、ざっくり言えば「自分で作ったものを自分で監査しない」というルールだよ。
「継続的監査の制限(パートナー・ローテーション)」は、「同じ人が長く関わりすぎない」というルールだね。
◆まとめ◆
・公認会計士法上の大会社等の財務書類に対する監査証明業務については、単独監査が原則として禁止されている。
・大会社等は、取引の内容が複雑・高度であり、取引規模も大きいため、複数の公認会計士が関与する組織的な監査が求められる。



大量の紅白餅を作るとなると、やっぱりひとりじゃ無理だ。複数のメンバーで、組織的に取り組む必要があるな。
…じゃあ、きみは、お餅をひっくり返す係ね。



きみが杵でつくの?



いや、杵の係は、大きい鷹にやらせよう。ぼくは掛け声を担当する。



いいとこドリってやつだね。



組織の中で、なぜ判断はばらつくのか。集団内の判断のばらつき=「ノイズ」に注目した一冊だよ。
監査でも、見積りやリスク評価など、判断を要する場面は多いよね。
『ファスト&スロー』が面白かった方には、次に読む本としておすすめ。










